日本版、というか東宝版を初めて観ました。
色んな予定の中に無理やりねじ込んだのでキャストは選べず、本当はマテさんが観たかったんだけど今回は断念。
秋にコンサート行くから、マテトートはその時に。
今回観たのはマチネ公演。
<キャスト>
トート:山口祐一郎
フランツ・ヨーゼフ:石川禅
ゾフィー:杜けあき
ルドルフ:大野拓朗
少年ルドルフ:坂口湧久
ルキーニ:高嶋政宏
言葉が分かるので、さらにそう思ったのかもしれないけど、ストーリーに繋がりを持たせるあたりが演出の上手さ、素晴らしさを感じました。
ウィーン版や韓国版ではなかったようなシーンもたくさんあるよね?
日本版でしか入っていない曲もあるみたいだし。(最初の方の曲)
ルドルフの最期のシーンなんかは、日本版だとより詳しくなっててなぜ自殺しなければならなかったのか、かなり説得力があるものになってました。
なるほどー、と思わず言ってしまったぐらい。
物語としては非常に分かりやすくて良かったのですが、やはりわたしとしては”歌”の物足りなさが先に立ってしまってしまいます。
祐様は祐様であって、トートではないんだよね。
もちろんそれを目的に観にいらっしゃっている方もたくさんいるし、歌の上手さは日本のミュージカル界を長年支えてきた貫禄と威厳があって、素晴らしいのは間違いないんです。
ただ、わたしが求めているものが違うというだけのこと。
どうしても、「黄泉の国の帝王に連れて行かれる」感が拭えず、「トートに恋をするエリザベート」にはならないんです。
マテトートを観に行った妹曰く、マテトートのセクシーさにドキドキしてしまったそう。
ジョンハン先生に感じたようなドキドキ感、やはりトートにはある程度のセクシーさが必要なんです。
ぞくっとするようなあの感じ。
最期のシーンでやっと手に入ったエリザベートを見つめるセクシーな眼差し。
・・・ということで、今のところわたしの中のトートはジョンハン先生が圧倒的1位です。(超個人的趣向)
『私は私だけのもの』の、最後の音が跳躍するところ、首も一緒に伸びちゃってましたねー。
音はきれいだし、澄んだいい声だとは思うんだけど、あそこで流れを止めちゃう歌い方はわたしはあんまり好きじゃないかなー。
あと、ルドルフの大野さん。もうちょっとお歌をがんばってほしい・・。
韓国で初めてエリザベートを観た時に、一番心に残っていてもう一回聴きたい!と思ったのが『闇は広がる』なんです。
なのでこの曲にはすごく思い入れがあって大好きなナンバー。
なのになのに・・完全にトートに負けてしまってバランスが取れていないように聴こえてしまうTT
祐様が凄すぎるのもあるんだけど、物足りなさがここでも拭えないです。
これは残念だったなー。
あとは、ルキーニ高嶋さん。
この舞台を観るまで歌っているところを観たことがなかっただけに、楽しみにして行きました。
とあるところで銭形のとぉっつぁんに似てる!と騒がれ「ゼニーニ」とも言われていた高嶋さん。
さすが俳優さんでキャリアも長く活躍されているだけあって、演技は本当に上手。
背が高くてスタイルもいいので、とても舞台映えしてかっこよかったです。
歌もお上手。
あまり無理のないような編曲で伸び伸び歌っている感じ。
ただ、わたしの希望を言えば、ルキーニにはあの高音を出してほしかった!
高嶋さんはミルクでもキッチュでも、一回もやってくれなかったです。。
期待して行っているからこそ、なんだか拍子抜けな印象に。
あの残念さといったらないなー><
どのルキーニでも変わらずあの高音が出せちゃう韓国ルキーニ三人衆の凄さを再確認できたのは良かったな。
スヨンさんも捨てがたいですが、ルキーニNo.1はやっぱりウンテさんだなぁ。(これも超個人的趣向)
細部にまでこだわって作り上げているあたり、東宝の演出力の凄さを感じたし、結果的にはとても楽しめる舞台でした。
どれも違ってどれも良い。
あとは個人の趣向の問題ですねー。(と言って逃げてみる←)