思ったことを好きなだけ

タイトル通り記録用の超個人的ブログです。音楽・旅行が好き。

180124 PLUTO プルートゥ @シアターコクーン

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19:00

アトム / 部長(声) : 森山未來
ウラン / ヘレナ : 土屋太鳳
ゲジヒト : 大東駿介
お茶の水博士 / Dr.ルーズベルト(声) : 吉見一豊
アブラー博士 / 教授 : 吹越満
天馬博士 / ブラウ1589 : 柄本明


Dancers
上月一臣、大植真太郎、池島優、大宮大奨、渋谷亘宏、AYUMI、湯浅永麻、森井淳、笹本龍史


演出・振付 : シディ・ラルビ・シェルカウイ

 

***

 

なんかすごい作品だった。
1幕はちょっと退屈してたのですが、それが嘘のような2幕。
最後はなんだか感動しちゃって、色々と奇跡のような作品だな、としみじみ思ってしまいました。


まずは未來くん。
このアトムの役は未來くんのための役ですね。
というか、未來くん以外にはできない役だと思いました。
振り付けはもちろんですが、今回のアトムでは身体全体から溢れ出るような感情表現が特に良かったです。
子供のような純粋さとゲジヒトから受け継いだ憎しみ、アトムってこんなに複雑な役だったのか!と衝撃を受けていたのですが、それを見事に表現されていました。
髑髏城のときにもすごいと思いましたが、今回も改めて未來くんすごいわーと惚れ惚れしました。
こんな俳優さんがいらっしゃることが誇らしい。


演出・振付も素晴らしくて終演後思わずシェルカウイのダンス公演のチケットを買ってしまったぐらい。
アトムが空を飛ぶところは、こういう風に表現するのね!と若干犬事件を思い出してしまいましたが、プロジェクションマッピングやセットを上手く使って動きのある演出が特徴的でした。
こんなことできるの!と、とにかくダンサーさんと未來くんの体幹の強さが素晴らしかったです。
ダンスの種類でいうとコンテンポラリーダンスなのかな?
所々で出てくる群舞もきれいだったし、セットと合わせて幻想的なシーンになっていて目が釘付け。


あと、ゲジヒト役の大東駿介さんがめっちゃかっこよかった。
今までそこまで思ったことなかったのですが、なんでだろう、すんごいかっこ良かったです。
ちょっと身体を絞られましたかね?
すごく顔が小さくて整っていて、薄くした眉に金髪っていうのがわたしの中で大ヒット。
ロボットなのではじめは持っていなかった感情が、捜査を進めていくうちに芽生えてくるのですが、それがとても自然に表れているのが素晴らしかったです。
役柄上、淡々としていなければならず、そこから表現するって相当難しそうだなと思ったので、見た目がタイプだっただけではなく(笑)、大東くん良い役者さんだなぁと思いました。


土屋太鳳ちゃんもヘレナとウランの二役を全く雰囲気の違う形で演じていてとても良かったし、贅沢を言えばもっとダンスシーンが観てみたかったですが、初舞台とは思えない堂々とした演技でした。
これから色んな舞台で活躍してもらいたいです。


作品全体として、親子の哀しみ、平和への祈り、人間が持っている感情、様々なことをロボット社会に投影して描いている作品で、手塚治虫浦沢直樹の世界観が色が濃く出ている作品だなぁという印象です。
原作は読んでいないのですが、舞台上に映る浦沢直樹さんの絵を見ていると、何だか漫画の世界に入り込んだような気持ちになりました。
原作読んでないですが、きっと忠実に再現されているんでしょうね。
原作も読んでみたくなりました。


初演よりも今回の方が評判が良いようで、前回見逃してしまって残念だってのですが再演してくれて嬉しかったです。
演劇の世界で表現できることも無限大なんだということも分かったし、とても貴重な経験をさせていただきました。