ジョルジオ・バケッティ大尉 : 井上芳雄
クララ : 和音美桜
フォスカ : シルビア・グラブ
リッチ大佐 : 福井貴一
タンボウッリ軍医 : 佐山陽規
リッツォッリ少佐/ルドヴィク伯爵 : 原慎一郎
バッリ中尉 : KENTARO
ロンバルディ軍曹(コック) : 藤浦功一
トラッソ中尉 : 伊藤達人
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2度目のパッション。
今回は結末が分かってるいるからか、登場人物それぞれに焦点を当てて観ることができたので、前回とは少し印象が変わったような気がします。
一番変わったのはフォスカの見方。
1度目は特に前半はずっとただのストーカーに見えていたのが、なんだかいじらしく見えてくる不思議。
ジョルジオも少しずつですがそんなフォスカに惹かれていることが分かるようになり、1度目のような「えええ?!そっち?!」という衝撃は薄かったです。(単にストーリーを知っているからだけかな?)
それぐらい繊細に丁寧に皆さんが演じられていたような気がしました。
ジョルジオもどんどん感性豊かになっていくようで、フォスカにただ振り回されているのではなく、その過程で人は全身全霊をかけて愛することができるんだ、ということをフォスカを通して知っていったんだと感じました。
お互いが影響し合ってひとつの形になっていく。
それが愛というものなのでしょうか。
前回観たときはクララに対してあまりいい感情は持てなくて、どちらかというと自分勝手だなぁと思ってしまっていたのですが、今回はそれも少し変わりました。
ジョルジオもクララも寂しさを抱えて出会い、それを埋めるように愛し合うようになったことも理解できたし、クララの選択もなんだか自己中心的には思えなかった。
やっぱり現実って重くのしかかってくるし、子供のことだとか、今持っているものをすべて捨てるなんてそう簡単にできるものじゃない。
しかも彼は側にはいてくれない。
一番冷静に現実を見つめていたのがクララだったのかもしれないなと思いました。
全般を通して流れる空気感が柔らかくなっているような気がしたし、ジョルジオの苦しみや喜びを感じることができたのが良かったです。
きっと舞台の皆さんも変化しているのだと思うし、わたし自身も2度目で変化があったのだと思います。
こうやって同じ舞台でも見方が変わると違ったことが見えてくるのがおもしろくてついつい通ってしまう…
今回は2回でとりあえず終わり。
わたしにとってパッションは情熱というか、じわじわ湧き出てくる水のようなミュージカルでした。