思ったことを好きなだけ

タイトル通り記録用の超個人的ブログです。音楽・旅行が好き。

141013 炎 incendies @シアタートラム

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13:00
作 : ワジディ・ムワワド
翻訳 : 藤井慎太郎
演出 : 上村聡史

ナワル : 麻実れい
ジャンヌ : 栗田桃子
シモン : 小柳友
エルミル : 中嶋しゅう
アントワーヌ : 中村彰男
サウダ : 那須佐代子
ニハッド : 岡本健一

***

ものすごく評判が良いようだったので観に行ってきました。
簡単な内容ではないだろう、とは思っていたのですがかなり衝撃的な内容で途中から涙が止まりませんでした。
その涙はいったい何の涙なのか、自分でも考えてみたのですがよく分かりません。
世の中の無常理さになのかナワルの愛になのか、子供達への励ましなのか。
とにかくたくさんの感情が溢れてきて抑えることができなかった、という感じ。

ひとりが何役か演じるので、初めは登場人物と時間軸が交差して混乱したのですが、ラストに向かうにつれてその糸がほどけるかのように晴れていく演出は圧巻。
ネタバレするとこの作品の軸が分かってしまうので詳しくは書きませんが、2つ目の事実はかなりの衝撃で、ガツンと頭殴られたかと思うほど。
1つ目はなんとなく想像ついたのですが。

悲しすぎて辛すぎる現実、きっとあり得ないことではないのでしょうね。
宗教だとか紛争だとか、日本で生活しているわたしには程遠いところにあるようだけど、韓国だって停戦中だし中国のウイグル自治区のことだってある。
今は香港だって穏やかじゃないし、いつ自分たちの身に降りかかるか分からないことなんですよね。
なんとか世界中が平和でいられるとこはできないのだろうか、そんなことをしみじみと思った作品でした。

役者さんみんな素晴らしかったなぁ。
麻実さんは二度目でしたが、凛とした姿が本当にかっこよくて素敵だと思う。
双子の片割れ、息子のシモン役の小柳友さんは、あ、ヒボのラッジだ!と思って見てたらどうも弟さんだったらしい。
ものすごくそっくりですね!
そしてこの小柳ご兄弟はブラザートムさんのご子息なんだとか。
知らなかったー。二人ともいい役者さん。
あとは岡本さんの一人何役?というぐらいの演じ分けとニハッドになってからの演技が圧巻でした。
ニハッド、悲しいね…

何度も観れるような作品ではないですが、観てよかったと思う作品でした。
この日は業界関係の方も何人か観にきていらっしゃって、注目度の高さを感じました。
幕間でリピーターであろうお客さんが(知らない方)、「後半もっと凄いから!!」と興奮気味にお話されていた姿が印象的だったのですが、機内泊でプーケットから帰ってきたばかりのわたしも釘づけになるような凄まじい作品でした。

かなり勇気がいりますが、映画化もされているようなので気になる方はぜひ。