思ったことを好きなだけ

タイトル通り記録用の超個人的ブログです。音楽・旅行が好き。

パク・ウンテ 三十路思春期 Part1

F.OUND ISSUE > #01 September, 2010   by F.OUND / 2012.03.14
에디터 > 나하나   포토 > 김희언  

Park Euntae
Still Growing Up...
서른 사춘기

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パク・ウンテは今成長痛を体験している。その成長痛は<Mozart!>出演以後訪れた。<ライオンキング>をはじめとして <ノートルダム・ド・パリ> <ハムレット> <サビタ> <Mozart!>に至るまで5年を舞台の上で過ごし、ミュージカル俳優としてたった4ヶ月で助演から主演へ昇り詰め、ミュージカル界の強力なブルーチップとなった。

本来、本人は変わっていなかった。以前のように作品を探して、トレーニングウェアで歌を歌い、台本を覗いてみて、誰かが言った通り"基本通りにしているだけ"である。
ところが彼は最近、その基本を守ることが容易なことだけではないということを身を持って感じている。
そんな彼に映画を観ようと言った。<레퓨지(邦題:ムースの隠遁)>とは、題名そのままに、この映画が彼にとって一種の逃避先になればと思ったのだ。
我々は早朝、映画を観るために映画館を探し、そこで子供と大人の境界線に危うく立っている"ムース"に出逢った。
 
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#1. 新しい始まり

E: 早朝に映画を観たのは初めてです。
F:僕もものすごく久しぶりです。人もいないし割引にもなって。
E: あー、割引にもなるんですね。映画を観るより寝ちゃうとダメですね(笑)
 
映画を観てあれこれ尋ねるつもりです(笑) いつもはどんな映画を観ますか?
興味中心の映画が好きです。まだ芸術作品を観る水準ではないみたいです。<1408>や<シックスセンス> <The Usual Suspects>みたいにサスペンスだけど残忍ではなくストーリーがしっかりしている作品が良かったんですよね。反転がある映画もいいですね。
 
恋愛映画は観ないですか?
観ることは観るのですが、観るというよりも演技のために観る場合が多いですね。演技が上手い俳優が出演する映画だけ選んで観ます。好んで観るのはほとんどファンタジーではなく推理物?<容疑者Xの献身>は映画と小説全部おもしろかったし、宮部みゆきの小説<模倣犯>も、もの凄くおもしろかったです。ファンタジー映画は観ていると想像力が豊かになる感じがしていいです。
 
全部他の考えが入らないようにする作品ですね。
それがいいです。映画を観ながら悩みたくないですから。舞台に立っているので、他の人のようにストレス解消用だとか楽しみ用として観ることができなくなったようです。俳優たちの演技、感情線、こういうものを観るようになります。それで何の考えもなくずるずると流れる映画がいいです。映画の他に、ストレスを解消できる方法を探すべきなのにまだ分からないんです。学生の時は公演を観て、歌を歌うことがストレスを解消する方法であったのに仕事になってしまったので… 新しい趣味を探すべきだとは思うのにうまくできません。
 
自転車にも乗ったり登山をしてみたり、あれこれたくさん試みてください。
でもまた、僕が何でも全部取り揃わなければ始めないタイプです(笑)登山をするなら登山服、登山靴などなどなければならなくて、サイクリングには自転車が。取り揃わなければすぐうやむやになってしまうみたいです。
 
それなら旅行がいいですよ。
旅行もたくさんしてみたいです。僕がもう30歳なので、残念なことは一度もバックパック旅行を一度もしてみることができなかったこと。一人で旅行ができなくなってしまいました。
 
いいじゃないですか。
そうですかね。まだ遅くないのなら必ずしてみるつもりです。
 
<레퓨지>を観たらさらに旅行を思い出すはずなのに。スペインとフランスにまたがるバスク地方が舞台ですね。スチール写真を観ると浜辺がとても美しかったんですよ。
早く見てみたいですね。
 
フランソワ・オゾン監督の映画は好きですか?
<8人の女>や<僕を葬る>は噂はたくさん聞きましたが観れなかったです。
 
フランソワ・オゾンの映画は事前情報なしで観た方がいいそうです。入りましょうか?
 
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#2. '共感する'と'同感する'

E: ムース役の女優さんがほんとに上手く演じられるようです。
F: イザベル・カッレ、とても美しくないですか?
E: 僕のタイプではありませんが(笑) 女性が好む映画だなと思いました。
 
そんな気がしますか?
浜辺でポール(ルイ=ロナン・ショワジー)が背中を見せながら横になるとき、女性たちが好きそうだなと思ったんです(笑)それより、カメラが女性主人公の視線についていくでしょう。どうしても女性目線で進めば女性の観客が好むだろうと考えました。
 
フランソワ・オゾン監督は女性の感性をよく読みだしますね。
そのようですね。”言わなくても分かる”、こんな感じ?ムースが病室で目を開けるやいなやボーイフレンドが麻薬過多で死んだし、その男の子供を妊娠したと聞いて涙を一粒落とすでしょう。その場面、とても感慨深かったです。どうしたらあんなに繊細な感情を表現できるだろう?僕もあんな演技ができるだろうか?映画に集中すべきなのにずっとこういうことを考えていました。
 
主にイザベル・カッレの演技を観る時にそんな気がしたのでしょう?
男優は実はゲイであるというのが分かる瞬間から少し大変でした。僕が同性愛に対する偏見があるわけではないのですが。彼らを尊重して彼らの好みを尊重しますね。でも、彼らを完璧に理解することはできないようです。
 
分かります。ところで、もしゲイの役にキャスティングされたらどうしますか?<スリル・ミー>のような。
簡単にはいかないでしょう。キャラクターを完全に理解できずに演技をするわけじゃないですか。<スリル・ミー>は観れませんでした。観れなかったんです。ミュージカル<ノートルダム・ド・パリ>をしながら知り合いになった(チェ)スヒョン兄貴がするというので積極的に賛成したんです。小劇場ミュージカル<サビタ>をしながら、自ら演技の呼吸が増えたということを知ることができました。兄貴に役立つことだとそうしました。なのにある日TVで<スリル・ミー>の公演場面が出てくると、キスシーンがあるんですよ。スヒョン兄貴が男優とキスをするんですよ。
 
それが好きなんです。女性の観客が(笑)
TVを観ていると突然'ブチュ'と。その時思いましたね。'これはしてはいけないだろう。十分上手にされる方々がいらっしゃるから。'と(笑) もし出演依頼が来たら、決定を下すのが簡単ではなさそうです。
 
同性愛という点を覗いて男優の演技はどうでしたか?
女優の演技が強烈だったためか、監督が女性のキャラクターに焦点を当てたためか、男優の演技はすっと届きませんでした。それにポールはバスクに来てもボーイフレンドを作って楽しく過ごすじゃないですか。そんな人が孤独だといっても哀歓が共感できなかったです。羨ましかったのは写実的に繊細な表現演技ができるというところ。大劇場でそんな演技をすれば演出家がこう仰るでしょう。'誰も分からない。見せろ。'と。
 
ムースは今子供でも大人でも青年でもない停滞期にあるようです。事実、'私はママになる準備ができた'といって母親になるわけではないでしょう。そしてそうやって子供を置いてふらっと出掛けることがある、というのがもしかしたら本当の心なのかもと考えました。
分かります。状況があまりにも大変だから。他の見方をすれば自殺しないだけ有難いでしょう。でも、共感はできませんでした。ムースの状況が現実的だと感じられないからかもしれません。フランスがあまりにも社会福祉が上手くいっているからかもしれませんが、ムースに財政的な問題が見られなかったということが非現実的に感じられました。その部分に対してはどんな言及もされないでしょう。休養地で休んでいるだけです。もしその部分が整理されたなら、ムースの欠乏感がより一層共感できたことでしょう。

 

#.3 ピマッコル恋歌

もしかして<레퓨지>が新しく始まる作品と接するところはありますか?
そうですね。とても遠い作品だと。ミュージカル<ピマッコル恋歌>(9月4日から14日まで世宗文化会館大劇場で開演する)は男女の最高に純真な愛の物語です。<레퓨지>と同じように繊細な感性を表現するには劇場が大き過ぎます(笑)<레퓨지>のように憂鬱な感性が横たわった作品とは違います。
 
ミュージカルナンバーが2曲公開されましたね。繊細な感受性を持つキャラクターのようですね。
真剣な面はその2回出てきます(笑)。典型的な人物だとは思われたくなくて、とんでもない面と真剣な面が共存するキャラクターでいこうと思っています。
 
時代劇は何度もされましたが、国内創作史劇は初めてではありませんか?
はい。それで史劇のトーンを練習しています。新しい言語を習う気持ちというか。’それでそう申したのだ’ このような韻律自体が僕の言葉ではないので。史劇トーンを考えながら演技をするので本当に難しいんですよ。
 
 
口をついて出るようにしなければなりませんね。練習するしか方法がないようです。どうしても演技的な点が難しいんでしょう?歌はあまりにも上手だらか。
そのような指摘もよく聞きます。’歌ぐらい演技も上手にして’ と。演出家もそうおっしゃりますよ。’歌えば何か出てくるのに、話せばゴマだ’ と(笑)。
 
本人もそう考えるのですか?
そうです。当然だと思います。歌は15年ぐらい勉強もして悩みました。高校生の時から歌おうとしていたので。町内歌謡祭にでるときには歌詞を覚えて ’どうしたら上手くできるだろうか?’ と悩みましたね。’どうしたら上手く演技ができるだろう’ と悩み始めてからまだ3~4年しか経っていませんから。時間のギャップを認めて進んでいかなれればいけませんね。演技の祖的を受けるのも当然のことだと思います。もちろん気分がいいものではありませんが。でも、現実は否定することができないということで。
 
<ピマッコル恋歌>はどんな点が気に入って選んだんですか?
創作史劇に挑戦してみたかったんです。前作と似た雰囲気の作品はしたくなくて。’新しいことをしよう!’ って。最近そうじゃないですか。俳優がある程度認知度が高まれば似た役を続ける。確認されていることだけをやろうとすることがあります。<ピマッコル恋歌>をやれば史劇トーンひとつは確かに実らせることができると考えたんです。しかしながら、最近毎日KOされています。演出家が演技者出身であまりにも上手になさるんです。直接手本を見せられれば僕はまたするしかありません。もう一回、ずっともう一回、もう一回。
 
※掲載写真はすべて著作権元に属します
 
***
 
 
ウリウンテ氏のインタビューを見つけてしまった。
見つけたが最後、訳さなくてはという衝動に駆られて翻訳をし始めてしまいました。
ウンテさんが真面目すぎるのか、正直すぎるのか、映画のチョイスを間違えたのか、その辺りは定かではないですが、なんとなくインタビュアーの思惑通りに進めないあたりがおもしろかったです。←
そして使ってる写真がどれも素敵で思わず見入ってしまいました。
 
お二人が観た映画、【ムースの隠遁】は4月から天下のTSUTAYAさんでレンタル開始だそうです。
観たかったので楽しみです。
もう少し待たなくてはー。
 
Part2へ続く。