思ったことを好きなだけ

タイトル通り記録用の超個人的ブログです。音楽・旅行が好き。

180302 RED BOOK @世宗文化会館 Mシアター

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20:00

안나 Anna : 유리아 ユ・リア
브라운 Brown : 이상이 イ・サンイ
로렐라이 Lorelei : 홍우진  ホン・ウジン
도로시 / 바이올렛 Dorothy / Violet : 김국희 キム・グッキ
존슨 Johnson : 원종환 ウォン・ジョンファン
코럴 외 Corel etc : 정다희 チョン・ダヒ
줄리아 외 Julia etc : 허순미 ホ・スンミ
매리 외 Mary etc : 이다정 イ・ダジョン

 

***

 

とーっても素敵な作品だった。
好き。大好き。


ストーリーも演出も音楽も素敵だし、プリンシパルで出ているキャストも豪華だし、アンサンブルさんたちの活躍もあったり、全員参加のミュージカルって感じでした。
よぼしょの作詞作曲コンビが作った作品だということでとっても期待していたのですが、期待を裏切らない作品に仕上がっていて大満足。
みんなでこの作品を育てていっているんだなぁという温かさも見えて、よぼしょを観ているときにも感じた気持ちを今回も感じました。
久々に韓国創作ミュージカルの底力を観た気がする。(オチョミョンをまだ観ていないもので)

 

簡単なあらすじ
舞台は、まだ男性とは、女性とは、という価値観が今よりももっともっと根強かった19世紀のロンドン。
紳士としての振る舞うことだけを考えてきた弁護士のブラウンと、下ネタを交えた妄想癖のあるアンナ。
祖母から下女のアンナに財産を譲りたいと言われてしまったブラウンは、アンナを探すが未婚の女性は当時財産を受け取ることができないため、ブラウンが支援する形となる。
職を探していたアンナは自分をタイピストとして雇うようにブラウンに提案するものの、鬱陶しく思ったブラウンは作家になる夢を追うようにアンナに持ちかける。


女流作家の作品だけを集めた『RED BOOK』編集長のローレライと仲間のドロシーたちは女性が自由に表現できる社会を目指して奮闘しているが、ブラウンに連れられて面接に来たアンナの表現豊かな妄想を気に入り、自分たちの雑誌に投稿してみないかと誘う。
こうしてアンナは作家への道を踏み出し人気を博していくが、アンナの妄想小説のモデルは実はブラウン。
モデルが自分であることや社会的な男性としてのプライドがあるブラウンは、友人たちといる時にRED BOOKを地面に投げつけてしまう。
それを実は陰で見ていたアンナは傷つき、口論になるものの、下ネタ妄想小説を書く自由を強く肯定する。


色々紆余曲折あったものの、お互いになぜか相手のことを考えてしまう、と想いあっていることに気がつく二人。
ブラウンとアンナはめでたく恋人同士になるものの、アンナが別雑誌の編集者からのセクハラを受けて退治をしてしまったために裁判となり、弁護をするブラウンは勝利を勝ち取るために嘘の証言を勧める。
嘘をついては自分らしくいられないと悩むアンナはある決心をする…


だいぶ箸折っていますがこんな感じです。
自分らしさってどういうことなのかが分からなくなるときでも、自分らしくそのままでいいんだよ、ってそっと背中を押してくれるようなミュージカルでした。
最後はそんな優しさに涙が溢れちゃって、幸せな気分で劇場を後にできる、そんなお話です。


健気だけど芯が強くてちょっと変わり者という役所をユ・リアさんがとっても上手に演じていらっしゃいました。
歌もイツァークの時にびっくりしたのですが今回も素晴らしく、あんなに華奢なのにどこからあんな声が出るんでしょうね?
イ・サンイさんは初めましてだったのですが、ちょっと情けないけど温かみ溢れる役がとってもお似合いでした。
写真で見るよりもイケメン度高いです。笑
ウジンさんは女装が趣味(?)の編集者役ですが、優しくてときには厳しくて生き生きとされていたのが印象的でした。
この時の一連のツイートを見ているとちょっと精神的に大丈夫かなぁ?と心配だったのですが、今回こういう役を演じているからこその気持ちだったのかなぁと少し思いました。


先に少し書きましたが、どうしてもプリンシパルばかりにスポットライトが当たりがちになりますが、この作品はアンサンブルの皆さんも印象的で、それも楽しかったです。
紳士役の2人が特にコミカルで楽しくて、大股スキップを思わずしたくなってしまうので注目です。
今回はユ・リアさんが観てみたくてこのキャストになりましたが、本当は初演キャストのパク・ウンソクさんとチ・ヒョンジュンさんも観てみたかったな。


too me with you運動が世界的に広がった時だったので、この作品を上演する意味合いは強いのかなとも思いました。
わたし自身は仕事をしていてそういう大変な目はだいぶ乗り越えきったように思っているので、今は特に困っていることはなくて、逆に優遇されているんじゃないかと思えるぐらいですが、世間的にはまだまだ問題は山積しているんでしょうね。
男性だから、女性だから、ではなくて個人個人として評価されて尊重できる、全員がそんな考え方になる日が来れば良いなと思います。


日本版もいつか演らないかな?
日本でもウケそうな気がするし、アンサンブルさんたちが日本だともうちょっとキレキレに踊ってくれそうな気もします。
日本の制作社の皆さん、ぜひこの作品の導入のご検討、よろしくお願いします。