19:00
三、四代目出雲阿国 : 宮沢りえ
サルワカ : 妻夫木聡
幽霊小説家 : 古田新太
戯けもの : 佐藤隆太
踊り子ヤワハダ : 鈴木杏
万歳三唱太夫 : 池谷のぶえ
伊達の十役人 : 中村扇雀
腑分けもの : 野田秀樹
作・演出 : 野田秀樹
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いつ観ても野田さんって天才だな、と思うのですが今回も天才とは野田さんの為にある言葉だと思いました。
そんな天才の作品に凡人のわたしが感想を書こうとすると超うすっぺらい言葉になってしまって悲しさすら湧いてきますが、少しだけ残しておきたいと思います。
今回は十八代目中村勘三郎へのオマージュ、ということをはっきりと公言されての公演だったので、所々に勘三郎さんに向けて放たれてるんだろうなという台詞が散りばめられていました。
一見何気なくて関係ないような台詞たちがどんどん集まっていって、なるほどこう繋がるのか!というのがNODA・MAPの醍醐味だとわたしは思っているのですが(素人なので違ったらごめんなさい)、特定の誰かに向けたメッセージとして発信されているのはなかなか珍しく、最後は勘三郎さんの顔が思い浮かんできて泣いてしまいました。
歌舞伎を模した花道を作っていたり、一緒にやりたいことがきっとたくさんあったんだろうな、悔しさも一緒に詰め込んでいるんだろうな、そんなことも思いましたが、やっぱり伝統芸能たるものは後世に伝えていかなければならない。
十八代目は居なくなってしまったけれど、すべて受け継ぐ人たちがいるから安心して、そんなことを一番伝えたかったのでは?と観ていて思いました。
勘九郎さんや七之助さんもきっとご覧になったと思いますが、感想を伺ってみたいです。
りえさんも妻夫木くんもそんな想いを込めて演じていたように見えて、ちゃんと受け取ったよ!そんなことを想いながら劇場を後にしたのでした。