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思ったことを好きなだけ

タイトル通り記録用の超個人的ブログです。音楽・旅行が好き。

160820 いま、ここにある武器 @シアター風姿花伝

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14:00

ネッド : 千葉哲也
ダン : 中嶋しゅう
ロス : 那須佐代子
ブルックス : 斉藤直樹

 

***

 

観た方が声を揃えてよかった!と言うことや成河さんのオススメ、小川絵梨子さんの翻訳ということもあり、観に行ってきました。
一度行ったことのある劇場なのですが駅から遠いイメージが強くて、直前まで行くのをためらい腰が重かったのですが、帰り道はなんだか放心してしまって歩いて帰ることにしちゃうぐらい素晴らしい作品でした。
見逃さなくてよかった。

 

誤爆を防ぐために開発したはずのドローンの飛行装置が、兄との何気ない会話の中で使われ方によっては殺人兵器として使われるかもしれない、ということに気付かされた弟が、企業や政府の利益・思惑に翻弄されながら本当の正義ってなんだ、と葛藤する物語。
1幕冒頭は、自分は人命救助のために開発したと嬉々として語るネッドと、全く反対の意見を持つ兄ダンの会話が噛み合ってなくてなんだか笑えました。
ただのたわいの無い兄弟の会話だったのがどんどんエスカレートしていき、自分のしていることの大きさを自覚するようになるんですよね。
その会話の自然さ加減が小川絵梨子さんならではな気がして、なおかつ千葉さんと中嶋しゅうさんの力量を見せつけられたようにも感じました。

 

ネッドは自分の発明が兵器として使われないようにするためには、特許を自分の手で持っておきたいと思うようになる。
ただし、国家プロジェクトとして進んでしまっているため簡単には降りられないことが分かり、心身ともに憔悴していく。
後半にかけては徐々に会話もぐっと深くなり、2幕はこれどうなっていくんだろう、とすごくドキドキしました。

 

一番怖かったのが斉藤さんのブルックス
那須さん演じるロスは自分の仕事をきちんと成し遂げようとする、ちょっとヒテリックな女性なのですが、ブルックスはCIAみたいなところの情報部員なんですよね。(不確か)
心理学的な手法を用いてネッドを、そしてダンを追い詰めていくシーンは見てるこっちが自白しそうなぐらい(自白することないですけど笑)引き込まれてしまい、もうどうしようかと思いました。
あの沈黙と吸い込まれそうな大きな瞳。
ピローマンとか似合いそう、と見ながら思ってたら、もうトゥポルスキー役としてすでにご出演されてたのですね。失礼しました。

 

それぞれに家族があったり守らなくてはいけないことがあり、結局のところ何が正義で何が悪だなんて答えなんてなくて、今世界で起こっている紛争だってきっかけなんてもしかしたらほんの小さなことだったのかもしれない。
ただ、それを対岸から見ているのではなく、いつでも自分たち身近で起こることだし、取り返しのつかないことにもなり得るんだと思うと、とても怖いと思いました。
そんなはっとするような気づきが頭の中をぐるぐるし、終演後は余韻がもの凄くて駅まで20分の道のりを放心しながら歩いて帰ることに。

 

出演者4人だけ、舞台にはほぼ椅子だけというシンプルな構成でしたが、大学路で演劇を観た後のような充実感があり、やっぱりわたしはこういう濃密な空間が好きだなと実感。
こういう作品はアンテナを張っておかないと見逃してしまうので、今回観ることができて本当に良かったです。

強烈におすすめしてくれた成河さんに感謝感謝ですね。

演劇好きがオススメしてくれる作品に間違いはない!