思ったことを好きなだけ

タイトル通り記録用の超個人的ブログです。音楽・旅行が好き。

160709 エクウス[馬] @劇団四季 自由劇場

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13:00

マーティン・ダイサート : 味方良介

アラン・ストラング : 横井漱

フランク・ストラング : 志村要

ドーラ・ストラング : 大橋伸予

ベスター・ソロモン : 中野今日子

ハリー・ダルトン : 星野元信

ジル・メイソン : 松山育恵

ナジェット : 金久烈

看護師 : 小川真琴

馬たち : 佐久間仁、坂本剛、平山信二、光田健一、東泰久

 

***

 

とっても難しかった・・・
そもそもこの作品は日韓でも何度も再演を繰り返していて、個人的に好きな俳優さんであるリュ・ドッグァンさんが伝説のアランだということで観たかった作品だったのですが、戯曲が難しそうで足踏みをしている内に結局韓国では観れずに終わってしまった作品でした。
四季では久しぶりの公演ですよね?
初見なのでまっさらな気持ちで見ていましたが、出演者全員の落ち着いた演技や、特にアラン役の横井さんの身体を張った熱演などが光り、観ていてどこか安心感のあるような舞台でした。

お話としては難しいのですが、治療を通してアランの心情が徐々に明らかになっていく過程や、ダイサートの葛藤が徐々に浮きだっていく様子、治療することによってアランの個性が潰されてしまい一元化されてしまう様子など、現代社会に疑問を呈する姿がとても印象的で、色々考えさせられる内容でした。
「これでよかったのか分からない」とダイサートは最後に言いますが、教育には答えはなくて(ダイサートは治療ですが)、とっても難しいところですよね。
医者としての治療をダイサートは行なっただけであって、責められるものではないし、両親としても愛情を掛けて育てただけ。
治療なんて本当は必要なくて、アラン個人の信仰心や成長が少し普通の人とは歪んで表れていただけのことのようにも思えます。
最後に葛藤しているダイサートを観ていると、この物語が終わってからの姿が想像でき、しかもあまり良い結果ではないのではないか・・・と思ってしまい、それもまた悲しかったり。

この作品では馬がものすごく重要な役割で出てきますが、動きから何まで本当に馬でびっくりしました。
さすがキャッツも公演している劇団四季さん。
頭の振り方や歩き方、アランへの甘え方なんかもすごく上手で本当に馬にしか見えなかったです。
金久さんなんかは他の作品でプリンシパルを演じたりしている方ですが、そういう方もアンサンブル的役割である馬を演じてしまうのが凄い。
ひとつ注文をつけるなら、衣装をもっと格好良くした方がいいのでは、というところでしょうか。
茶色の全身タイツて・・・
特にナジェットなんてアランの神なんだから、もっと神々しくても良かったかもしれません。

ドッグァンさんは軍隊に行ってしまったので、もう出演されることはないのかなぁと思っていますが、一度観てみたかったなー。
日本と韓国でやる順番が逆だったら恐らく観てたと思いますが、その機会を逃してしまったのが残念です。
劇場の張り詰めた空気感もとても心地よく、満足感の高い公演でした。