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思ったことを好きなだけ

タイトル通り記録用の超個人的ブログです。音楽・旅行が好き。

160407 イニシュマン島のビリー @世田谷パブリックシアター

Play Report Japan
f:id:maayu64:20160510201517j:image
19:00
ビリー : 古川雄輝
エレン : 鈴木杏
バートリー : 柄本時生
ジョニーパティーンマイク : 山西惇
ケイト : 峯村リエ
アイリーン : 平田敦子
バビーボビー : 小林正寛
ドクター・マクシャーリー : 藤木孝
マミー : 江波杏子

***

マーティン・マクドナーの作品はこれまでもいくつか観ているのですが、今回も初めて観る作品が上演されるということで観に行ってきました。
決して明るくはないのに喜劇でそれと同時に悲劇でもあって、会話の端々にブラックユーモアが詰まった作品、というのがわたしなりのマーティン・マクドナーのイメージですが、今回もそれと違わずウィットに富んだ作品になっていて面白かったです。
不幸せと幸せが交互に押し寄せてきて結局は不幸、というなんとも言い難い感じなので、これが面白いとか好きだというとちょっと精神的に疲れているのかと思われてしまいそうですが、二転三転する構造とか、人間の内面をちょっと強調してえぐり出すような人物の描き方が、ヒリヒリして心が痛かったりして、だからこそ心に届く部分もあってわたしは好きなんだと思います。

生まれつき片手片足に障害があり、小さな島の中で病院と家の往復しかできないビリーにとって外の世界への憧れは強く、一世一代の嘘から島から出ることとなったものの待ち受けていたのは厳しい現実で、挫折したビリーは島へ戻って来ます。
でも物語は決してそこでは終わらなくて、ビリーの生い立ちや凶暴すぎるエレンとの恋、自分のついた嘘がそのまま返ってきてしまうビリーの病気などなど、マクドナーと演出の森さんの手のひらで転がされ続け、最後まで展開の読めないジェットコースターのような作品でした。

わたしはよく知らないのですが、主演の古川くんは人気のある俳優さんなんですね?
わたしは4列目だったのですが、座席の前の方はファンクラブっぽい女性たちがたくさん座っていらっしゃったので、なんだかこんなところにいてすみません、と思って肩身が狭かったです。笑
なんだか影のある演技をする俳優さんだな、と思いましたが周りの人たちが個性的すぎてちょっと霞んでしまっていたような気もします。

前半はほとんど出番のなかった鈴木杏ちゃんですが、すんごい野蛮でびっくり。
こんな女の子いる?と思うぐらい突き抜けていておもしろかったです。
それでも結局は優しかったりと心根の部分はきちんと感じさせるような演技でとっても良かったと思いました。
そういえば浦井くんとの星ノ数ホドでもとってもいい演技してたなぁと思い出したのでした。

あとは柄本時生くんもね、すごく良かった。
見た目通りというか、役作りいらないんじゃない?と演出の森さんに言われているという記事を読みましたが、ちょっとおバカなバートリーまさにそのまんまな気がしました。(褒めてる)
柄本一家って演劇界においてとっても(映像の方でも)稀有な存在であり、とても重要な存在ですよね。
こんな俳優さんがいるからこそ作品に深みが出るというか。
時生くんはまだ若いですが、これからきっとお父さんやお兄さんのようにたくさんいい役を演じていくんだろうなぁと分かるようで、とても楽しみです。
そういえば、バートリーと言えば、わたしの前の席までビニールシートが配られていて、水を使った演出とかがあるのかな?と思っていたらなんと卵が飛んでくるという予想もしない展開でびっくりしました。
前列の皆さん、2幕冒頭のシーンは要注意ですよ。
ハンマーで卵を無表情で割りまくるバートリーもなんだか狂気的で印象深かったです。
それにしてもまさか卵とは。
4列目でも飛んで来そうで思わず構えてしましました。

ジョニーパティーンマイクのいい加減さの中にある優しさもとても良かったな。
ゴシップ屋なので嘘も平気でつきますが、結局はビリーのことを想っての優しさなんですよね。
ずっと帽子とかつらをかぶっていたので、ほぼ最後まで山西さんだということに気がつきませんでした。
だっていつものイメージと全然違うんだもん!
やっぱりすごい俳優さんさんですよね、山西さんも。

そんな個性的な俳優さんに囲まれちゃったので、ビリーのイメージがちょっと残りづらい感じが正直言うとあったのですが、全体としてはおもしろい作品でした。
日本でまたピローマンやらないかなー。
楽しみにしてるんだけどな。
ということで、どっぷりマーティン・マクドナーの世界に浸った1日でした。