思ったことを好きなだけ

タイトル通り記録用の超個人的ブログです。音楽・旅行が好き。

151204 스토리오브마이라이프 The Story Of My Life @ペガムアートホール

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20:00
앨빈 アルヴィン : 이석준 イ・ソクジュン
토마스 トーマス : 고영빈 コ・ヨンビン

***

ずーーーっと待っていました。
本当に待ちに待った再演、しかもわたしの人生を変えたソクジュンヨンビンペア。
人生を変えたというのは大げさですけどもあながち間違っていなくて、前回2012年にこの作品をこのペアで観たときにほとんど言葉も分かっていないくせに感動して立てないぐらい泣いて、それから韓国語も勉強したし、こんなにミュージカルや演劇を観に行くようになりました。
それまでは舞台も好きではあったもののここまでではなくて、むしろ暗いと寝ちゃうから行きたくない、と言っていたような人でした。
言葉も分からないのにこんなに人を感動させるってすごいな!と純粋に驚き、なら言葉が分かる日本の作品はどうなんだろう?と日本の作品も観に行くようになるという逆輸入的な変な経緯もあり、今のこの生活が形成されています。笑
なのでわたしの原点であるこの作品とこのペア、やっぱり早く観たい!という思いが抑えられず、仕事の締め切りを無理やり午前中に終わらせ行ってしまいました。
もうね、午前中に普段の2倍速ぐらいで働いたのでクタクタで、心も身体も疲れていたんですが、ドキドキして飛行機でも全然眠れないぐらい。
観劇前にこんなにドキドキしたのは久しぶり。

始まってからも、やっと観れた喜びでずっと涙目なわたし。
トーマスが客席から登場して、アルヴィンの弔辞を考えながら、なぜ自分がここにいるか探すために2人の物語を辿り始めるのが最初のシーンなのですが、カーテンが開いてアルヴィンが登場します。
そのときは机にアルヴィンが座っているのですが、すでにキャスコンした妹によると三者三様で、ソクジュンアルヴィンはあぐらを掻いて頬杖をついてトーマスを見つめての登場。
これを見た瞬間に、あぁやっぱりわたしのアルヴィンはソクジュンさんだ!と確信しました。
もうそこにはアルヴィンしかいなくて、寂しくて優しくトーマスを見つめるアルヴィンだけがいる。
ソクジュンさんが出演されている他の色んな作品も観てきましたが、アルヴィンと他の役ではちょっと違う気がしています。
わたしの中の固定化したイメージがあるからかもしれませんが、初演から演じられているので完全に出来上がっている。
子供の頃は少年にしか見えません。
驚異の40代です。笑
細かいところもきっとこだわっていて、雪遊びするシーンとかうますぎて、わたしには本当に雪が見えてました。
まさにアルヴィン職人だと言ってもいいと思います。

ソクジュンさんアルヴィンの特徴的な仕草は、歩き方とポケットに指だけ突っ込む立ち方。
この立ち方がなんだか本音をずっと隠し続けてきたアルヴィンの気持ちの表れのようで、これがすっごくうまいなぁと思っていました。
トーマスも言っている通り、アルヴィンは本当はとても賢くて、人の気持ちを考えて考えて、自分のことは全部後回しにしている人物なんだと思います。
CDには入っていない台詞にハッとさせられるものがあって、街に出る約束をする前に「自分の思うようになったことなんて何もない」とアルヴィンが言うんですね。
何気なく言った言葉なのですが、この言葉こそアルヴィンの心を教えてくれた言葉だったような気がしました。
街に出るというのは、アルヴィンにとって初めてと言っていいほど夢を叶えるチャンスだったのに、それが叶わなかった。
来るなと言われたときのソクジュンさんアルヴィンの震えるような静かな動揺が忘れられません。
今日で僕の人生は変わる!と思っていたのに結局はどこにも行けなくて何も思う通りにはならないんだ、と思ったときの絶望はどれぐらいだったのでしょう。
どんどん離れて見えなくなる親友の心、お父さんの死、どうしようもない孤独の中、アルヴィンはクラレンスを求めて橋から飛び降りてしまったのではないでしょうか。

こうして考えてもアルヴィンは答えをくれなくて、ここにあるものが全てだと言うので、これが本当なのか違うのか本当のことはトーマスにもわたしにも分かりません。
自分の中にある何千もの物語を人生として生きていくしかないんだということ、そんなことを最後には考えていました。

なんだか色々想いが溢れてきて、1876ぐらいからずっとわたしは泣きっぱなし。
隣で観ていた妹になんでここ?!とかなりびっくりされましたが、アルヴィンの選んだ最高の贈り物がトーマスの人生を変えて、これが始まりなんだなと思ったらなぜか泣けてきてしまって。
そこからは涙腺壊れてどうにもなりませんでした。

ヨンビンさんのトーマスもとても良かったです。
やっぱり再演ペアだけあって息がぴったり。
アルヴィンが微笑むとトーマスも微笑む。
この笑顔がいいね、と妹と話をしていました。
ちょっとヨンビンさん声の調子は良くなかったようで、どちらかというとソクジュンさんの方が安定していたように思いました。
ソクジュンさんは謙遜されますが実は歌もお上手なんですよね。
特に作品の中で歌うと演技も加わるのでものすごくお上手です。
演技力の高い方が歌うと説得力があるというか、ちゃんと歌に感情が載っている感じが素敵だと思っています。
このペアはお互いがいい影響を与え合っているのが分かるような演技なので、見ていてどんどん引き込まれていきます。
最後の約束のシーンは涙なしには見られません。
今思い出しても涙出てくるほど。

公演自体は2月末までの予定ですが、あと何回観られるでしょうか。
もう1回終わってしまった、と今は寂しい気持ちでいっぱい。
わたしの中では伝説ペア、このヨンビンソクジュンペアは最優先でこれからもスケジューリングしていきたいので、どうか行ける日にキャストスケジュールに入っていますように…

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