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思ったことを好きなだけ

タイトル通り記録用の超個人的ブログです。音楽・旅行が好き。

150905 タンゴ・冬の終わりに @PARCO劇場

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19:00
清村盛 : 三上博
ぎん : 神野三鈴
名和水尾 : 倉科カナ
重夫 : 岡田義徳
有福正志
有川マコト

***

伝説の舞台の再演ということで、気になっていた作品を見てきました。
とりあえず三上博さんの迫真の演技が素晴らしく、その脇を固める俳優さんたちもまた素晴らしい。
三上さんは役柄的に心身のバランスを崩していく俳優役だということもあると思いますが、清村盛がほんとに憑依しているのではないかと思うぐらい迫力がありました。
それも徐々に徐々に壊れていき、自分が演じた役柄だけが残るという無残な姿。
盗んだ孔雀をひたすら探し続け、それがただのぼろきれだなんて1mmも信じていないんだろう。
名声を浴びた俳優の行く末がこんなだなんて、誰が想像するんだろう。
天才だからこそこうなってしまったのか、なんだかとっても寂しい気持ちになりました。
それと同時に人の心身まで狂わせてしまう舞台の魅力と恐ろしさも、わたしは観る立場でしかありませんが、なんとなく分かるような気もしました。

また、妻と愛人の関係もまた恐ろしくて、これもこの作品の大事な主題の一つですよね。
歪んだ愛情を持つ妻と一途に想いを寄せる愛人。
孔雀がただのぼろきれだと真実を突きつけられた時に取った2人の女の行動は、若さの違いなのか愛情の違いなのか。
いつもながら、神野三鈴さんの静かな狂気にぞっとさせられます。
意外だったのが倉科カナさん。
テレビで見ても特に印象に残るような感じではなかったのですが、声がはっきり通るのとものすごくスタイルがよくて可愛いので、舞台上でとっても映えることを初めて知りました。
だからこそ新進気鋭の女優、水尾という役柄にぴったりで、盛とのタンゴシーンは物悲しい中にも情熱が感じられ、とても印象的でした。
ユースケさんも岡田さんもいい味を出していたし、三上さんの演技が浮くことなくしっかりと作品に馴染んでいたのは、周りの皆さんが素晴らしい演技をしていたからだと思いました。

お話として楽しい話ではないし、どちらかと言うとずしんとしてしまうのですが、演じ手としてはチャレンジしてみたい作品の一つなんだろう、と思います。
実際に三上さんご自身も作品を見て、いつか清村盛を演じることを目標としていたと仰っている記事を読みました。
思い入れも強かったからか、カーテンコールでは涙を目に浮かべて挨拶をされている姿が印象的で、その熱演にわたしは心からの拍手を送っておきました。
この日は初日だったこともあり、わたしの座席のすぐ斜め前には行定監督が座っていらっしゃって、終演後は色んな方から祝福の言葉を掛けられていました。
ほっとした表情をされていたのが印象的です。

海外戯曲もとても面白いものがたくさんありますが、何十年前に書かれた日本戯曲もきっと今に通じるものはたくさんあるでしょうし、目を向けてみると面白いものがたくさん観られるな、と思いました。
お金と時間と体力が続かないので、その辺りは気をつけねば。
今回も楽しませていただき、ありがとうございました。