思ったことを好きなだけ

タイトル通り記録用の超個人的ブログです。音楽・旅行が好き。

150201 ハムレット @さいたま芸術劇場

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13:00
ハムレット : 藤原竜也
オフィーリア : 満島ひかり
レアティーズ : 満島真之介
ホレイシオ : 横田栄司
フォーティンブラス : 内田健司
ポローニアス : たかお鷹
クローディアス / 亡霊 : 平幹二朗
ガードルード : 鳳蘭

***

レジェンド公演と名を打った公演を観に行ってきました。
実は個人的には初のハムレット
あまりにも有名なのでなんとなく話は知っていたにも関わらず、その深さなんて全く知らなかったわたしはかなり衝撃を受けました。
人間とはどう生きるべきか、ということをハムレットはひたすら悩んでいるのですが、そんな姿を通して自分自身も考えさせられた気がします。

そして藤原竜也さんの熱演がすごかった。
藤原さんが希望してのハムレット出演だそうですが、一公演ごとに魂をひとつずつ減らしていくかのような熱演。
あれだけ膨大な量の台詞を覚えるだけでも脳の構造がどうなっているのか不思議でなりませんが、それを感情とともにお客さんに伝えていくのは選ばれし者にしかできない気がしました。
全身全霊で演じなければシェイクスピアの言葉たちって滑稽に映ってしまいそうですよね。
それをあんなに、しかもシェイクスピア初心者のわたしにでも感動とともに伝えられるっていうのは蜷川さんの演出もあるのでしょうが、本当に素晴らしいことだと思いました。
たぶん藤原さんを舞台で観たのは2回目だと思うのですが、あの独特の声と雰囲気が印象深すぎて目が離せません。
舞台人として評価が高いのも、一回舞台を観たらよく分かる。
まだ観たことない方はぜひ舞台を観てみることをお勧めします。

あと平さんのクローディアスも素晴らしかった。
もう迫力満点。
今回見切れ席だったので、クローディアスが祈りを捧げようとするシーンがちょうど見えなくて残念すぎでした。
会場がかなりどよめいていたので気になる…
クローディアスって欲の化身のようなものなんだろうけど、その中にある葛藤や行くところまで行くしかないという潔よさみたいなものも平さんからは発せられててすごくかっこ良かったです。

満島さんのオフィーリアも儚げでよかったなぁ。
他のハムレットでどう描かれているのか分かりませんが、蜷川さんハムレットはオフィーリアとの関係性は少し薄めに描かれているのかな?という印象でした。
でも、最期のシーンはハムレットを想う気持ちと父親への気持ち、それが崩れてしまい、結局は心も崩れてしまうという哀しみが溢れていてぐっとくるものがあり、心の底からうまいなぁと感心。
本当の兄弟である満島真之介さん演じるレアティーズとの関係性も素敵でしたね。

満島さん(弟)は声がもの凄く舞台向きだと思いました。
よく通るきれいな声でとっても聞きやすい。
朝ドラでの演技しか観たことなかったのですが、ちょっとエキセントリックな役とかも似合うし、正統派な演技もできる、そんな俳優さんな気がします。
舞台での活躍も期待ですね。

蜷川さんが倒れられて、入院しながらの演出だったようで、パンフレットには少し痛々しい姿が載っていましたが、やっぱり蜷川さんの舞台は素晴らしいなと思いました。
劇中劇がひな壇だったりびっくりするような演出もあったのですが、残念ながら見切れ席は真横に近いので幕が上がる前に見えていたという。。
びっくり度合いが減ってしまってそれはちょっと寂しかったです。笑
できるならもう一回真正面から観たい。

蜷川さんの舞台を去年からいくつか観ましたが、全部共通して言えるのはラストの余韻の残し方が素晴らしいということ。
今回のハムレットも思わず涙してしまうようなラストでした。
ハムレットの高尚な潔さも、クローディアスに力を貸してしまったレアティーズも、息子を想うガードルードの心も、悪だったクローディアスさえもなぜか哀れに思えて。
人間って本当に何なんでしょうね。
考えても考えても答えは見つからないのですが、自分の人生をわたしは一生懸命生きたいと思います。

なんだこのまとめ。笑