思ったことを好きなだけ

タイトル通り記録用の超個人的ブログです。音楽・旅行が好き。

140831 HISTORY BOYS @世田谷パブリックシアター

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13:00
アーウィン : 中村倫也
デイキン : 松坂桃李
ポズナー : 太賀
ラッジ : 小柳心
アクタール : 渋谷謙人
ティムズ : Spi
クラウザー : 大野瑞生
ロックウッド : 林田航平
リントット : 鷲尾真知子
校長 : 安原義人
ヘクター : 浅野和之

***

韓国で見逃してしまい、早く観たくて仕方なかったひぼ。
ようやく観ることができました。
ありがたいことにこの日は前から2列目で役者さんたちの表情までばっちり見えて、どんどん作品の世界に引き込まれていきました。

受験クラスの生徒たちと教師たちを描いた作品ですが、ヘクター先生の愛する詩の引用が至る所に出て来て、日本語でも一度で全部吸収することが難しい作品でした。
でも、そんな中でも物事を多方面から捉えるという思考が詰め込まれていて、観ていてすごく勉強になったし、なるほど〜と思うことも多かったです。
イギリスの大学受験が、暗記すればなんとかなる日本とは根本的に受験システムが違っていて、「自分で考える」ということが重視されていることがよく分かります。
社会人になってからこの「自分で考える」という思考がどれだけ大切なのか思い知るわけですが、この子たちはこの年代から知っていることになりますね。
凄いな。

話はそれましたが、そんな賢い生徒たちと先生の言葉のやり取りで進んでいくのですが、役者さんたちみんなの呼吸が素晴らしかったです。

アーウィン先生役の中村さん。
韓国ではミョンヘンさんがアーウィン先生だったので、雰囲気が違いすぎて全く想像できなかったのですが、なんかね、凄く良かった。
ミョンヘンさんはきっと表面的には熱血漢で実は内面には秘密を抱えていて…といった役作りをするんだろうな、というのが想像付くのですが(観てないので違ったらごめんなさい)、中村さんはそれとは全く違っていて、もう見るからに神経質でナイーブなアーウィン先生でした。
絶対なんかあるぞ、みたいな。笑
でもそれがまた良くて、吹いたらぽきっと折れてしまいそうな繊細さが揺れ動く心をしっかり表現されていて心が苦しくなってしまいました。

デイキン役の桃李くん。
もう真っ直ぐ健全、といった爽やかな魅力があり、嫌味なく誰からでも好かれる魅力を持ったデイキンでした。
アーウィン先生があれだけ繊細なので、それと合間って惹かれあうのがとてもよく分かるようでした。
聡明だからこそ、今までに出会ったことのないような考え方を示してくれるアーウィン先生にどんどん惹かれていくんでしょうね。
なんだかアーウィンに向けたキラキラした視線が見えるようでとっても良かったです。
韓国ではウンソクさんがこのデイキン役として有名ですが、もう言うまでもなくウンソクさんは怪しい色気満載なはずなので(褒めてます)、ちょっと違ったデイキンなんだろうなーと予想。

ヘクター役の浅野和之さん。
上手いよねぇ。ほんとに。
愛情の掛け方はいびつだったかもしれないけど、記憶に残る授業で生徒たちにものすごく影響を与える先生。
ヘクター先生がいたからこそ、アーウィン先生のあの授業が生きたんですよね。学校の先生に対して特に大きな思い入れのないわたしなので、こんな先生いたらもっと人生違っていたかもしれない、と思いました。
個人的に浅野さんヘクター先生の蝶ネクタイが大好きです。似合いすぎ。

あとはスクリップス役の橋本淳さんがとっても良かった。
ストーリーテラー的な役割を担いながらピアノ演奏もして大活躍です。
先生たちのこともデイキンもポスナーもみんなを受け入れる優しさが伝わってきて、わたし個人として生徒たちの中で誰が一番好きかというと、間違いなく橋本さんスクリップスを挙げます。
あんな暖かい演技が出来る俳優さんなんだ、と一気にファンになりました。
戦隊出身だと教えてもらったのですが、これからも要チェックです。
ところで、神様問題はどう片付いたのでしょうか。知りたい。笑

ポスナーも愛嬌があり可愛くて良かったし、他のキャストもそれぞれ個性的で印象的でした。
全員シングルキャストなのできっと大変だとは思いますが、絆はきっと深まるはず。
千秋楽にはまた違った舞台になりそうで成長具合を確かめたいですね。
そしてもう一度観てしっかり台詞を噛み締めたいところです。
日程的に厳しいので、その前にもう一度行けたらいいな。
言葉って演劇って素晴らしいな、と思わせてくれる作品でした。
ありがとうございました。