19:00
ディーリィ : 堀部圭亮
ケイト : 若村麻由美
アンナ : 麻実れい
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デヴィッド・ルヴォー演出、ハロルド・ピンター作の演劇。
ルヴォー演出というものを一度観てみたくて行ってきました。
演出は素晴らしかったのですが、いかんせん難しい…
観ながら、最後には分かるようになるのかな?と思っていましたが、結局最後まで話の内容が分からないまま終わりました。笑
ただこの作品の言いたかったことは、『人の記憶だなんて曖昧で、必ずしも真実ではない』ということだとわたしなりに分析してみると落ち着く感じに。
映画のマトリックスみたいに、実は今わたしが現実だと思っていることが空想なのかもしれない。
誰かから聞いた過去が自分のものになっている、なんてこともよくあることだし、上書きされちゃったこともあるんだと思う。
だから何?と聞かれると、そこからのメッセージを読み取ることは残念ながらわたしの貧弱な脳ではできなかったのですが、そういう霧の中を歩くような人間の危うさみたいなものを表現したかったのかな?とわたしなりに解釈をしました。
登場人物は3人だけで、大きな日生劇場を使ってしまうという贅沢な舞台でしたが、舞台デザインとか音楽とか印象的でよかったです。
部屋を表す四角い線はスリルミーとかブルメポを思い出しました。
四角い白い線ってとても閉鎖的に見えるのですね。
出演者の3方とも知的で耽美的で素敵でした。
若村さんのアンニュイな雰囲気や麻実さんの何とも言い難い不気味な雰囲気(褒めてます)は若い俳優さんでは出せるものではないですね。
堀部さんも優位に立とうとしながらもアンナとケイトに翻弄されていく様子が話が進むにつれて如実に表れてきて、わたしたちも一緒に混乱。
特に最後のシーンはぞくっとしました。
本当に怖いのはやっぱり人間なのかもしれない。
この日は初日だったこともあり、演出のルヴォーさんも観に来ていらっしゃいました。
とーっても目立ちますね(笑)
公演関係者もたくさん観に来ていらっしゃったようで、お名前は分かりませんがご挨拶されている人をたくさん見ました。
関係者の方々がどういう感想を持つのか気になるところです。
劇評出たら読もう。
もう一回ぐらい観たら理解が深まるのかなーと思ったのですが、きっと分からないものは分からないのだということで納得しようと思います。
とにかく余韻の残る作品であることは確かでした。